高齢者はこれからしばらく増加傾向にありますが
それを支える若い世代が減少しているというのはよく聞く
話しだと思います。
このような背景の中で平成24年に介護保険が改正された際に
地域包括ケアシステムという概念が導入されました。
地域包括ケアシステムとは、
住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される
システムのことです。
僕は仕事で色々な自治体の福祉関係課、高齢関係課の方と話を
する機会があったり、実際に介護保険事業計画の支援に関わったり
しているのですが
地域包括ケアシステムをしっかりと構築できているところは
少ないように感じています。
頑張っているんだけど、なかなかうまくいかないんですね。
そういう自治体はどこでつまずいているかというのはどこも
なんとなく共通しています。
問題点としては大きく3つかなと思います。
まず1つ目の問題点としては、庁内での連携がうまくいかない
ということです。
これは組織が縦割りになっていて、関係課の状況が把握できて
いないということです。
地域包括ケアは福祉関連課に加えて、まちづくりだとか建設
関連課と連携を図る必要があります。
また外部の関係組織とも連携しないといけないといけないのに
庁内で連携をとれていないと話になりません。
こういう場合は、関係各課でのワーキングなどの機会を
定期的に設けて情報交換を密にすることです。
2つ目の問題点としては、自治体と医師会の連携が
とれていないということ。
地域包括ケアといえば、在宅医療の仕組を構築することも
重要なポイントの1つですが、これは医師会との連携が
とれていないと、なかなか難しいわけですね。
若い医師で構成されている医師会なら、わりと連携
しやすいのですが、高齢の方が多い医師会はなかなか
話しが通りにくい。
医師会との連携をどうやってとればいいのかというと
自治体が粘り強く医師会にコンタクトを取ること。
地域包括ケアシステム構築の必要性について丁寧に
何度も説明することです。
1回や2回説明して断られたからと言って、
すぐに諦めてしまわないことが重要ですね。
問題点の3つ目としては、
医療関係者と介護関係者の連携がとりにくいということ。
仮に医師会の方が地域包括ケアシステムの構築に前向きに
なってくれたとしても、医療と介護の連携ができなければ
地域包括ケアシステムは機能しません。
介護関係の職種は、医療関係職種に遠慮しがちです。
一方で、医療関係者もそんな介護関係者の状況を見て
建設的な話ができなかったりします。
そんな場合は、
医療関係者と介護関係者を一堂に集めて、顔を合わせて
会議やミーティングの機会を作ることが重要です。
顔を合わせて話をすることで、お互いの状況なども把握
できるようになるので、ただ1回だけではなかなか関係性も
つくれないので継続的に複数回行うようにします。
3つの問題点をみると、どれもコミュニケーションに関係が
あります。コミュニケーションをしっかりとることで色々な
問題が解決に向かうのです。
課題をまとめると
〇庁内で連携を図るワーキングの機会を設ける必要がある。
〇医師会の協力を得られるよう自治体が粘り強くコンタクトを取る必要がある。
〇医療職種と介護職種の連携を図るための顔合わせの機会をつくる必要がある。
ということですね。
ということで
「地域包括ケアシステムを構築するには各機関の連携を
図るためのコミュニケーションが重要」ということです。