衝撃を受けると思いますが、かなり多くの日本の市町村が
消滅する可能性があります。
日本の人口って2010年前後をピークにして減少する傾向になっています。
都道府県別にみると2010年には
東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、滋賀県、沖縄県以外は人口が
減少に転じています。
東京などでさえ間もなく人口減少となります。
ここからが衝撃的な話になります。
2040年に若年女性が50%以上減少する自治体を消滅可能性都市として
896市区町村が該当しているんです。
(ちなみに若年女性とは20~39歳の女性です)
現在、日本の市区町村は1,700程度なので、半分以上が
消滅してしまうってことになります。
ちょっと想像できないですよね。
でも、こういう事が起こる可能性は大いにあるわけです。
特に青森県、岩手県、秋田県、山形県、島根県の5県は
8割以上の市町村が消滅の可能性があるということです。
東京では唯一、豊島区が消滅する可能性都市にあげられています。
人口自体は、2060年には総人口が9,000万人くらいになります。
2100年には4,000~5,000万人くらいになると予測されています。
ちょっと怖いかんじですね。こんなに人口が減ってしまうなんて。
自治体として経営が成り立たない中で、高齢者をどうやって
支えていくか、そんな対策の必要性が非常に高くなります。
国土交通省では
コンパクトシティだとか立地適正化計画などによって
都市機能を中心部に集中させるという方針を打ち出しています。
要は福祉施設や病院などそういう機能を中心に
配置することで、そこに高齢者に住んでもらい
徒歩圏内で生活できるようにするみたいなことです。
機能を集中する事で、色々と効率も良くなるので
自治体経営の負担も軽減できるということみたいです。
個人的には半分理解できて、半分は理解できないというか
機能しないんじゃないかななんて思います。
まずは中心に機能を集中したからといって、高齢者が
中心部に住む様になるかどうかということ。
いくら便利だからって簡単に移住しないでしょ。
高齢者は住み慣れた家に住みたいと思っているし
仲間のいる地域の中で住みたいと考えるわけです。
そんな簡単に移住なんてしません。
機能を中心に集中するということは都市の形を変える
ことになります。圧倒的に時間がかかるわけです。
構想をつくって、地権者さんの合意を得て、スペースを空けて
とかやってると普通に20年も30年もかかってしまいます。
一方、厚生労働省では
地域包括ケアシステムの構築を掲げていて、団塊の世代が後期高齢者に
突入する2025年を目途にどうにかしないといけないと考えています。
まちづくりによる高齢化対策と地域包括ケアによる高齢化対策は
なんか時間軸が違うんですよね。
時間的な問題とか現実的なことを考えると
厚生労働省が掲げる地域包括ケアの構築を高齢化の対策として
優先的に進めていくのがいいのかなと思います。
というのは都市機能が集中してなくても
高齢者を支えることができないわけではないからです。
(もちろん、自治体経営のことだとか効率化ということを
考えると必要な事ではあると思いますが。)
都市機能が集中していなくても地域のコミュニティによって
高齢者を支えることはできるのです。
実際に地域住民やNPOの活動によって高齢者を支える
仕組をうまくつくっているところもあります。
地域をコーディネートできる存在とか、地域を巻き込んで
イベントを開催する企画力とか、そういうものが
高齢化対策に欠かせないものになっていくと思うんですよね。
つまり「人づくり」がポイントになるんです。
これがうまくできると、地域包括ケアシステムをうまく
運用できるし、例え、コンパクトシティなどの都市計画の
視点での対応に時間がかかってもなんとかなります。たぶん。
もちろん、都市の機能が整備されることで便利になったり
効率的になることは否定しませんし、できるならそうした
方がいいと思います。
ただ、仮に都市計画の整備がなされていなくても
地域の核になる存在がいれば、そのまちは活性化していくと
僕は思っています。
ということで
「まちづくりに重要なことは人づくりをすること」
ということです。