8月1日に国土交通省から
健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドラインが
公表されました。
日本は他の国と比べると
圧倒的に高齢化率が高いわけですね。
2055年には、人口が3割減少する中で
高齢者が総人口の4割を超えると言われています。
地域のコミュニティもどんどん希薄になっていくので
高齢者などを地域で支え合うみたいな状況も
作りにくいわけです。
高齢者の孤独死なども問題になっていますが
地域のつながりが少なくなると、
このような問題も更に大きくなる可能性があるのです。
じゃあ、行政の支援に頼るしかないか・・・
というようになるかもしれませんが
都市経営もすごく厳しい状態になっていて
2025年には社会保障に必要な公費負担は60兆円に
なると言われています。
これは現在の1.5倍くらいです。
行政の支援に頼るのもなかなか難しい状況ということです。
そして、
高齢者が増えていく中で重要なのは
健康、医療、福祉施策を連携させること。
ただ、各自治体はその重要性を感じているものの
具体的に連携できているところはあまりないわけです。
このような様々な問題がある中で
国としては、高齢者が介護が必要な状態に
なっても地域の中で暮らせるように
地域包括ケアシステムの方針をうちだしたり
医療費の適正化計画を策定したり
健康日本21という健康づくりの計画を策定したり
健康・医療・福祉政策に取り組んでいるんですね。
健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドラインは
それぞれの政策と連携しつつ、
計画を具体的な形にしていこう!というものだと考えられます。
で、健康・医療・福祉のまちづくりとして
必要な5つの取り組みとして次のものが挙げられています。
①住民の健康意識を高め、運動習慣を身に付ける
②コミュニティ活動への参加を高め、地域を支える
コミュニティを活動の活性化を図る
③日常生活圏域・徒歩圏域に都市機能を計画的に確保する
④街歩きを促す歩行空間を形成する
⑤公共交通の利用環境を高める
この5つの要素を地域ごとに、
どこが強みで、どこが弱みかを「見える化」して、
優先順位をつけて対策を立てるということが
健康・医療・福祉のまちづくり推進ガイドラインで
言われています。
これから、更に高齢化率が上がるという中で
このような方針を示すことは必要なことだと思います。
方針を打ち出すことで、
各自治体も意識して対応していくようになります。
ただ、これは方針であって
具体的にどうすればいいかというようなことは
明確に示されていないように見えます。
事例などは載せていますが
地域によって色々と条件が異なりますので
それをそのまま活用できるかというとそうではありません。
だから、それぞれの地域で
5つの取組について、自分たちの地域であれば
どのようなことができるのかを考える必要があります。
例えば
②コミュニティ活動への参加を高め、地域を支える
コミュニティを活動の活性化を図る
について
事例としてコミュニティ施設を整備するとか
サロンなどを整備するというものが紹介されていましたが
コミュニティ施設を1つ作ろうとしたらお金も必要ですし
場所も必要です。
経営が厳しい地域もあるわけですから
なかなか従来のコミュニティ施設をつくろうとしても
そう簡単につくれないのです。
また、サロンなどをつくって
お茶を飲みながら話が出来る場所があれば交流が
できるかというと・・・
僕はそれだけじゃ交流はうまれないんじゃないかなと
思っています。
交流が生まれやすいのって
何か同じ目的を持って人が、ある場所に集まった時に
交流が発生するんだと思うんですよね。
コミュニティ施設の整備とかサロンの整備とかも
1つの方法かもしれませんが
経営的に厳しい地域が、効果的に交流が生まれる
ような装置をつくる必要があるのかなと思います。
例えば
小学校の空き教室、商店街の空き店舗を利用した
高齢者用のスポーツジムみたいなもの。
まず空き教室などを利用するのでハードの整備に
必要がお金は少なくて済みます。
空き教室でスポーツジムができるのか?っていう
ところですが
女性用のスポーツジムでカーブスっていうのが
あります。
あれって、小さなスペースに最小限の運動器具を
置いてるみたいですが、
女性に人気でかなり利用されているみいたいです。
それの高齢者版ですね。
高齢者に限定しなくてもいいのですが
高齢者は他の世代に比べると外出頻度が少なくなって
しまうので、外出を促すことと
色々な世代が使えるジムだと、高齢者が使いにくく
なってしまう可能性があるから、
まずは高齢者の居場所をつくるのでどうかなと思って
事例として考えてみました。
健康になるという同じ目的の同世代の人たちの
集まりなので交流も生まれるかなと。
というような感じで、
お金をあまり使わずに効果的に交流を生む方法を
それぞれの自治体が考えないといけないということですね。
また、取り組みの
③日常生活圏域・徒歩圏域に都市機能を計画的に確保する
④街歩きを促す歩行空間を形成する
とかはハード面で整備しようとしても難しいわけです。
最初からまちをつくるとか、再開発などでまちの形状を
変えられるならいいのですが
そうでない場合は、かなりハードルが高いです。
都市機能を集約するには広大な敷地を確保しないと
いけないし、資金も莫大に必要です。
歩道だって道を拡幅するとかという必要性が出てくる
かもしれません。
つまり、まち全体を変えないとい可能性があります。
最初からまち全体を変えようとするのは
現実的に厳しいので
短期的にやること、中期的にやること、長期的にやること
みたいに段階的に考えるようにすることが重要かなと思います。
まずはできるところから
小さい事でもやってみて、そこからどんどん
広げていくような感じですかね。
水が貼ってある所とかに石を投げると
そこから波紋ができるように
1つできると徐々に輪が広がっていきますからね。
最初から完成形はできなくてもいいから
一歩踏み出すことが重要ですね。
今回はガイドラインという大きな方針が示されました。
これが絵に描いた餅にならない様にすることが重要ですね。
とうことで
「大きな方針と具体的な対策の両輪がそろう事で
初めて形になる」ということです。