共働きの場合、小さな子どもがいると保育園に通っている場合が
多いと思います。でも、子どもが風邪を引いてしまうと保育園で
預かってもらうことができません。
だから、親のどちらかは会社を休んで子どもを看病することに
なるんですね。ただ、小さな子どもは十分な免疫力が備わって
いないから風邪を引きやすく、その度に会社を休むことになります。
有給を使って対応していても、有給にも限りがありますし、仕事を
頻繁に休むと職場にいづらくなってしまうという状況になります。
私の知り合いでも、そのような状況が続いて仕事を続けられなく
なってしまったという女性がいます。
子どもが病気の時にあずかってくれる病児保育という保育園があり
ますので、このようなサービスを利用することも考えられます。
ただ、子どもが風邪を引く時期は重なることも多くて、利用者が
多くて利用できないということも多々あります。
そして、病児保育は普通に経営をしていると赤字になることもあり
人材を雇用できないので、そんなに多くの人が利用できるものでは
無いというわけです。
そんな中で超安定経営をしている病児保育があります。
NPO法人フローレンスが経営する病児保育です。
普通の病児保育では考えられない数字をたたき出しています。
会計報告を確認したところ2012年の収入は5億円を超えていました。
スゴイですね。NPO法人でこれだけの数字をつくるところは
あまり見たことがありません。
では、なぜ多くの病児保育がギリギリの中で経営をしているのに
フローレンスの病児保育はこれだけの経営ができているのかについて
考えてみました。
大きくは次の4つの要素があると思います。
①人材を確保する仕組み
②コストを抑える仕組み
③安定的に収入を確保する仕組み
④利用者を効率的に集める仕組み
では1つずつ見ていきましょう!
①人材を確保する仕組み
フローレンスは保育士経験者などを積極的に集めています。
保育士さんも結婚を機に離職することが多いのですが子育てが
ひと段落したら少し時間にも余裕ができるわけです。
そういう方を積極的に採用することで、保育のプロだし子育て
経験もあるので、サービスの質が保てるということですね。
さらに固定シフト制や変動シフト制など働き方に柔軟性がある
ので、人材を確保しやすいんだと思います。
②コストを抑える仕組み
フローレンスは派遣型を採用しています。病気になってしまった
子供の家で子供の看病をするんですね。建物に関するお金が必要
ないのでコストは抑えられます。
病児保育園として建物を持つと、利用できる人数もエリアも限ら
れてしまうけど、派遣型ならスタッフさえ確保できていれば利用
できる人数もエリアも自由度が高いですね。
③安定的に収入を確保する仕組み
通常の病児保育は利用する際に利用した分だけお金を払います。
そうすると利用者が少ない時期だと収入を得られません。
季節などによって利用者の多い時とそうでない時があって安定
しないということです。
フローレンスは会員制としていて、利用者は月額費を収めて
利用する時に利用料を払うという形になっています。
月額費により安定的に収入を得る部分をつくっているわけ
です。経営が安定するので人材も確保でき、子どもが風邪を
引きやすい時期でも、スタッフを派遣できるのです。
利用者も安心です。
④利用者を効率的に集める仕組み
フローレンスは法人契約にも取り組んでいます。企業には
沢山の人が働いているわけですから、法人と契約することで
利用者を効率的に確保することができるということです。
病児保育のフローレンスと契約した法人は社員が安心して
働ける環境をつくれるわけなので仕事にも集中できますし、
社員の満足度も上げることができますね。
という感じで、色々と工夫をしているわけです。
普通の病児保育は
収入を上げにくい⇒経営が維持できない⇒利用者が利用できない⇒仕事が続けられない
フローレンスの病児保育は
収入をつくる仕組みがある⇒事業を拡大できる⇒多くの人が利用することができる
⇒さらに事業が大きくり、助かる人が増える
社会貢献の事業は利益を出すべきじゃないとか言っている人を
たまに見かけますが、こう見ると利益を確保できないと経営が
維持できなくて、困る人が増えるんですね。
ということで
「社会貢献の事業は収入を確保する仕組みを構築することで
より多くの人を助けることができる」ということです。