コンパクトシティの成功例と問題点

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日本の都市には色んな問題があるけど、代表的なものとして
街の中心が空洞化しちゃったていうことがあげられます。

これは、個人で車を持つ様になって遠くまで簡単に移動できる
ようになったのと、住宅を郊外に建てるようになったから。
土地も安いし、外に広がっていったってことですね。

そして、大型店舗も郊外に建てられるようになりましたよね。
例えばイオンとかってけっこう郊外にあります。

ドーナツを思い浮かべてもらえればと思うんですけど
まちが真中が空洞になっている状態になってしまったという
わけです。

人口が減少してきて、高齢者が増えてくると
こういうまちの形だと色んな問題が起きてしまいます。

まちが広がると、水道とか電気とか道路とか、インフラも広げて
いかなきゃいけないわけです。それなりに人口がいればいいけど
人口が少ない中で広げるのは効率的ではないですよね。

利用者が少ない中で、インフラを広げる状態はとっても
効率が悪いし、都市の経営にも大きな影響を受けることになる
ということです。

さらに高齢者が郊外に住んでいたとすると、そこには病院だとか
福祉関連の施設が少なかったりしたら・・・
病院などに行くにも一苦労です。

バスとかが通っていれば、すぐにまち中にいけるかもしれないけど
人が少ないところにバスを通そうとしても赤字になっちゃうから
バス会社も嫌がります。

さらに高齢者になると自分で運転するのも難しくなってくるから
陸の孤島に取り残されてしまうようになる。大きな問題です。

こんな背景があって、少し前からコンパクトシティにすることが
重要だ!みたいなことを国は言っています。

要は、都市の機能をまちの真ん中に集めて、都市の効率をあげて
高齢者も徒歩圏内で生活できるようにしようっていうものです。

コンパクトにすればインフラも限られた範囲でいいし、
高齢者も安心して地域の中で生活ができるようというメリットが
あるわけですね。

という考え方は分かるのですが
やっぱり一度郊外に広がってしまったものを、真中に集約
しようとしても、やたらと時間がかかるわけです。

そして、郊外に住んでいる人も、特に高齢者なんかは
多少不便なところがあっても住み慣れた地域で生活をしたいという
気持ちが強いと思うんですよね。

そうなるとなかなかまち中に引っ越しするなんてことがあるのか
少し疑問があります。

再開発みたいなものも必要になると思いますが
再開発って何十年もかかるものですから、都市計画は数十年先を
見据えないといけないものだなと思うんです。

日本でも青森市とか富山市では成功例の1つですが、
アメリカ、オレゴン州のポートランドはコンパクトシティの
成功例がとてもいい事例だと思います。

ポートランドは60万人くらいの都市で自転車で20分も
移動すれば、どこへでも行けてしまうのです。

行政は自転車の導入とかに力を入れていて
まちの色んなところに駐輪場があったり、
バスにも自転車で乗れるようになっていたり。

若者を中心に年に2万人以上が移住してくるようです。

コンパクトシティがうまくいっている理由の1つは、
1970年代から都市境界線というものを設定していて
その境界線の中でしか開発ができないようにした
ということがあります。

それで、まちの形がコンパクトになったわけです。

ここまでは都市計画によるものですが、それだけでは
ありません。

住民主体でまちづくりができる環境が整っているんです。

ポートランドの市議会議員はなんと4人しかいません。
まちづくりを担うのは市民という考えがあるから
このような体制になっているようです。

ちなみにポートランドと同じくらいの人口の八王子市は
市議会議員が40人くらいいるみたいです。

ポートランドでは市民の声を活かす仕組みとして
近隣組合というものが組織されていて、市民が
主体的にまちづくりに携わっています。

住民が主体であるということ。市民参加の仕組が整備
されているということ。

やっぱり住みやすいというのは、こういうのがポイント
だと思うんですよね。

ただ都市境界線という都市計画の視点だけでは
コンパクトになっても住みやすくなるとは限らない。

都市計画の整備ができていて、さらに市民がまちを
作る体制がととのっているからこそ、多くの人が
移住してくるまちになっているんだと思います。

都市計画は重要ですが、ハード面だけだとやっぱり
住みやすさをつくるには限界があって、ソフト的な
部分がしっかりできて、ハード面の効果も発揮されると
考えています。

とうことで
「良いまちをつくるには市民が積極的に地域に
関われる基盤を整備することが重要」
ということです。

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