障害者の雇用先といえば授産施設などがあげられます。
全国には6,000か所くらいありますが、そのほとんどは
1ヶ月の給料は1万円以下という話を聞きます。
1ヶ月働いて1万円って・・・
これってどうなんでしょうか。
障害があるから仕方がないと考えるのか。
それとも1ヶ月働いて1万円しか稼げない仕組みが
良くないと考えるのかで障害をもつ方の労働環境は
大きく変わってきます。
障害というのは、
その人の身体の状況が原因であるという考え方と
社会の構造や仕組みが整備されていないことが
障害であるという考え方があります。
1ヶ月働いて1万円という現状について
その仕組みがまずいと考えて改善にとりくめば
障害がある方の労働環境は良くなるのではないでしょうか。
先日、スワンベーカリーの方からお話を聞く機会が
ありました。
スワンベーカリーと言えば、パン屋さんで
障害がある方が多く働いています。
直営店は4店舗でチェーン店も20店舗以上。
東京だと銀座などにあります。
銀座にはパン屋さんと併設してカフェもある
のですが、お店の前を通るとかなり混んでいて、
たくさんのお客さんがパンを楽しんでいました。
ここでは、質の高いパンを提供しています。
お客さんに提供するものだから
障害の有無に関わらず本当に良い提供する
という理念のもとでパンをつくっているのです。
だから商品開発にもしっかりと力をいれている。
スワンベーカリーでは知的障害者が多く働いて
いるのですが
知的障害者の方は複数のことをやるのは難しく
感じてしまうこともあるのですが
1つのことであればしっかりと丁寧にできるのです。
そういう特性も考えたうえで
運営側がどうすれば、障害者の方が円滑に
働くことができて
かつ、どうすれば質の良い物が作れるか
ということを考えて、仕組みを構築しています。
障害の有無に関わらず地域の中で生活するには
こういう仕組づくりがすごく重要になるんだと
思うのです。
働くということで考えれば
まずは、障害をもつ方が働きやすい仕組みを
作ることです。
工夫をすれば障害があったとしてもできる
ことはたくさんあります。
ただ、これで終わってはいけません。
働くということは何かを提供するということ
なので、質の高いものを提供する仕組みを
作るという視点を持つことが超重要なのです。
最初の働きやすい環境だけ作っても賃金は
上がらないので、質の高いものを提供する
という仕組を含めて考えなければいけません。
そういう考えを持ち、障害者の雇用環境を
整備していけば賃金の問題もすこしずつ改善
されていくのではないでしょうか。
ということで
「障害者の雇用は働きやすい仕組みと質を高い
ものを提供するための仕組の2つが必要」
ということです。