仕事の一環で行政の地域づくりやまちづくりの支援に携わる
ことがあります。
行政はアンケートなどで住民のニーズを把握して
色々と施策を立てたり、新たなサービスを企画したりとする
わけです。
でも、せっかくのサービスが使われていないことも多いんです。
よく思うことですが、行政が色々とサービスを企画して運営していても
それを住民が知らないことが多い。
そんなサービスがあることを知らないから
住民は、行政のサービスが十分でない!なんて思っていることも
あるんですね。
これって誰が悪いのか?
サービスを用意しているのに、それを利用しない住民が
悪いのでしょうか?
アンテナを貼っている住民なら、行政のホームページを見て
自分が必要なサービスがないか探すという人もいるでしょう。
でも、行政のホームページから自分で情報を探す人って少ないし。
高齢者になるとホームページで情報を探すのが難しいという人も
います。
個人的には、行政がニーズを把握してサービスを企画するところ
までで終わっているところが問題なんだと思います。
行政に足りないところってマーケティングの視点なんですね。
普通の企業なら、利用者のニーズを把握して、商品をつくったり
サービスを企画したなら、一生懸命プロモーションしますよね。
だって、周知しないと気付かれないで終わってしまう。
そうすると売れないから企業としては開発費を投入しただけで
大赤字の状態になります。
一方、行政ではプロモーションをするという概念が弱いんです。
もったいないですね。
行政はすぐには倒産することは無いと思いますが、人口減少の
傾向にある現在は、サービスの悪い地域には、さらに減少して
消滅してしまうかも。
サービスが提供できないという地域なら仕方ないかもしれませが
サービスを提供しているのに、それがうまく伝わっていないことで
サービスの悪い地域だと認識されてしまってはもったいないですよね。
だから行政はマーケティングの考え方をもっと取り入れる必要が
あると思っています。
ニーズを把握してサービスを企画したならそれで終わるのではなく
「サービスに気付いてもらう」
→「サービスに興味を持ってもらう」
→「実際にサービスを使ってもらう」
→「サービスの良い点と悪い点を確認して改善をする」
みたいな流れもしっかりと作ることが重要だと思うんです。
例えば、行政でも「観光」がテーマだとマーケティングの考え方は
けっこう使うかと思います。大手の広告代理店が地域の再生に取組む
こともありますしね。
ただ地域住民に対するサービスだって同じでマーケティングが重要。
行政を支援するコンサルタントも同じようにマーケティングのことを
勉強する必要があるかと思います。
中には、「マーケティング=お金を稼ぐ事」みたいな狭い概念を
持っていて、地域づくりやまちづくりにマーケティングは必要ない
とか言う人もいますが・・・
そもそもマーケティングがお金を稼ぐという視点だけで考えるのは
視野が狭いですし
そんな風に考えていると、せっかく企画した行政のサービスが
うまく住民に伝わっていかないのです。
ということで
「マーケティングの考え方を取り入れることで
地域づくりやまちづくりの効果は大きくなる」ということです。